Style Surfing
60s Roar Shichirigahama Kamakura
ロングボードは無骨で重く、ロッカーも無く、扱うのが大変でした。
しかし、アッパーレール、ラウンドボトムのシェープは、扱い方を理解すると実によく機能し、ダイナミックなドライブを楽しませてくれました。
ロッカーが少なくパーリングしやすいですが、上体を起こし膝でレール全体をプレスすると、小さい波でも驚くほど加速することに気づきました。
70s Habushiura Niijima
サーフボードが極端に短くなり、色々なアイディアーが試され、失敗作も多く排出された時代でもあります。
テールにロッカーが少なく、ハードなエッジは、波の表面を軽く乗り、フィン(シングル)が抜ける(スピンアウト)のに対処してました。
短くなったボードでも、微妙にテールにロッカーを入れないと、全く機能しない事に気づくまで、長い時間がかかりました。
80s Secret Niijima
ボードのテール部分にロッカーをつける事で、パフォーマンスは飛躍的な進化をしました。
軽い感覚と波をえぐるカービングサーフィンは、シングルフィンでも、モダンで洗練されたサーフィンスタイルを可能にしました。
アクションに”タメ”が出来るようになったのもこのころからです、ボトムでパワーを溜め込み、一気に放出してスピードを乗せる。
またテール寄りでコントロールする事が出来、波の突発的変化にも、ファジーなトリミングでトラブル回避が容易になりました。
90s SantaCruze The Lane
ロングボードのリバイバルが始まる。
ショートボードは極端に細く、薄くなり、エクストリームな方向へ進みすぎ、そのアンチテーゼとしてロングボードのリバイバルが始まり、サーフィンの本来の優雅さが見直され、ブームとなりました。
ローカルコミュニティー(西海岸)ではサーフクラブが復活。他のサーフクラブと積極的に交流が盛んになり、対抗戦を通じて大いに盛り上がりをみせました。
ロングボードもかつての無骨なものではなく、モダンに洗練されたシェープが主流となり、カービングやテールトリムの扱いが重視され、何よりも、テイクオフの圧倒的アドバンテージは、結果、初心者や女性のサーファーが飛躍的に増えた時期でもありました。
2000s P-Pass Ponape
時間と資金があれば、誰もいない沖合いのリーフにボートで向かい、極上の波をストレスなしに楽しめる時代がきました。
事前に波のサイズも確認でき、サーフボードは、状況に合わせたチューニングボードを持ち込み、十分なデータを蓄積することが出来ました。
テストでは機能だけでなく、レトロなアイディアー(細いアウトライン)と新しい機能(トライフィン)をブレンド。新たに生まれるスタイルは、想像や発想を素直に表現させてくれるものでした。
2010s Sultan Maldives
70年代のサーフスタイル(シングルフィン)へのバックデートを多く試みました。
ノーズヘビーなアウトラインにシングルフィンの組み合わせは、シンプルながら爆発的スピードを得られるのが特徴です。
リッピングが主流の中、あえて、レール全体を使った”ダウンザライン”スタイルを表現してみました。当時のテンプレート(型紙)を探し出し、それをベースに、テールエリアに少し丸みを持たせました。少ないテールロッカーと、僅かなVボトムを組み合わせることで、スピンアウトの症状を軽減する事に気付き、満足のいくパフォーマンスを得る事が出来ました。レトロとモダンの融合が新しいスタイルを産んだのです。
2020s
ロング、ミッドレンジ、ショート、さらにその隙間を埋めるように奇抜なデザインまで、現代のサーフボードの多様化は、ネットの普及で、整理されないままの情報で溢れています。そのような中で、サーフィンライフをより楽しむには、”自分のスタイル”を早く見つける事ですが、簡単ではありません。実際、私もサーフィンをロジカルに理解し、自分のスタイルと出会うまでに、長い時間を要してしまいした。
”スタイルサーフィン”を、少しでも早く理解してもらえるよう、サーフボードの選び方から扱い方まで、私の経験を生かし、アドバイスできればと思います。直接、コミュニケーションを通じて、シェーパー出川が、対応させて頂きますので、お気軽にコンタクトを利用ください。(現在、サーフボードのオーダーは、ショップ対応ではなく、直接このウェブサイトからコンタクトして下さい。)